「責任逃れ部下」と「無能な上司」の狭間で-中間管理職が直面する現代の組織的ジレンマ-

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 近年、中間管理職が置かれている状況は、かつてないほど困難なものとなっています。

その最たる例が、明確な理由も示さずに業務遂行を怠る部下の存在と、それを是正できない組織の実態です。

本稿ではこの問題について、作者の経験を交えながら考察してみたいと思います。

責任逃れの構造

 特に顕著なのが、理由を聞くと言い訳を並べながらも、結局指示された業務遂行しない部下の存在です。彼らに共通する特徴として:

  • 自身の言い訳に正当性がないことを自覚している
  • それゆえに明確な理由を述べることができない
  • しかし、指示には従いたくない
  • 曖昧な返答を繰り返すことで責任回避を図る

このような行動パターンは、単なる怠慢という範疇を超えて、現代の組織が抱える病理の一つと言えるでしょう。

中間管理職が直面する困難

 この状況下で中間管理職は、以下のような複合的な制約に直面します:

  • ハラスメント防止の観点からの行動制限
  • 働き方改革による管理手法の制約
  • 上層部からの成果要求
  • 部下の育成責任

これらの制約の中で、責任逃れする部下に対して適切な指導や管理を行うことは、まさに「罰ゲーム」と呼ばれるほどの困難を伴います。

組織の機能不全

さらに深刻なのは、多くの企業がこの問題を認識しながら適切な対応を取れていない現状です。

その背景には:

  • 経営層の問題解決能力の欠如
  • 具体的な改善プランの不在
  • 責任の所在の曖昧化
  • 中間管理職への過度な負担の押し付け

があります。

このような組織の機能不全は、結果として優秀な中間管理職の疲弊や離職を招く要因となっています。

現実的な解決策

 では、このような状況に直面した中間管理職は、どのような選択肢を持ち得るのでしょうか。

1. 自身の市場価値の認識

  • 中間管理職としての経験とスキルは、他社でも十分に通用する
  • 特に困難な環境での管理経験は、高い評価につながる可能性がある
  • 実際に、転職市場での需要は確実に存在する

2. キャリアの選択肢

  • 転職による環境の改善
  • 起業による自律的な事業展開
  • フリーランス化による独立

3. 実行に向けての準備

  • 十分な安全マージンの確保
  • 市場での自身の価値の検証
  • 具体的な移行プランの策定

ただし、これらの選択肢を実行に移す際には、慎重な準備と計画が必要です。特に以下の点に注意を払う必要があります:

  • 財務的な安全性の確保
  • 新たな環境での適応可能性の確認
  • タイミングの見極め

日々中間管理職として「罰ゲーム」の中を生き抜いている方であれば、このような記述だけからでも、十分な施策の立案妥当性の検証実施、を行うことは十分に可能ではないでしょうか。

結論

 理不尽な状況下での中間管理職の業務は、確かに耐え難いものかもしれません。しかし、その経験自体が市場で評価される要素となり得ることも事実です。

重要なのは、現状を客観的に評価し、自身のキャリアを戦略的に考えることです。理解のない上層部問題のある部下との消耗戦を続けるよりも、自身の価値を活かせる新たな環境を選択することは、十分に合理的な判断と言えるでしょう。

ただし前述したように、その判断を実行に移す際には、十分な準備と計画が必要です。

安全マージンを確保した上での行動が、結果として最も確実な問題解決につながるのです。

(注:作者は転職を妥当な選択肢の1つと考えていますが、積極的に推奨している訳ではありません)

このような状況を乗り越えるだけの実力を持った管理職であれば、新たな環境での成功も十分に期待できます。

重要なのは、現状に甘んじることなく、積極的に自身のキャリアを切り開いていく姿勢なのではないでしょうか。

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